3つのオシレーターをボタン操作で
抜き差しできるのが、とても今風で面白い
─ NAOTOさんは、ORANGE RANGEのギタリストである一方、楽曲制作ではシンセサイザーを多用していますが、そもそもは、どちらの楽器に最初に出合ったのですか?
NAOTO:シンセサイザーです。音楽に触れたきっかけが、電気グルーヴだったんですよ。そこからYMOを聴き始めて、歌謡曲やJ-POPも聴くようになりました。最初に電気グルーヴのラップやシンセサイザーの音を聴いた時に、すごく不思議な感覚になったんです。それまでのJ-POPや、ランキングに入ってる曲では耳にしたことのない音で、それでいろいろと調べたり、ライブ・ビデオを見たら、ピアノみたいな楽器を使ってることが分かって。それが、シンセサイザーとの出会いでした。
─ 楽器を始めた時の最初のセットが、ローランドのMC-303とJP-8000の組合せだったそうですね。
NAOTO:そうなんです。兄からMC-303をもらって、JP-8000とサンプラー、それに4トラックのカセットMTRで宅録を始めました。それが、中学生の頃でしたね。
─ では、ギターはいつから?
NAOTO:高校に入ってからです。ちょうど、バンド・ブームでしたから。だけど、僕は今でも"ギタリスト"という感覚ではないんです。だから、僕のクレジットに"ギター"って入れてませんし、ギターを弾いている時間より、むしろシンセサイザーやレコーディング機材をいじってる時間の方が長いんです(笑)。僕は、どちらかと言うと、曲を作ったり、ミックス作業をしている方が好きで、今でも机に座って延々と作業したり、マイクを立てている時間の方が、圧倒的に多いですね。
─ そんなシンセを熟知しているNAOTOさんにぴったりな、ローランドの最新シンセサイザーGAIA SH-01を今回試奏していただきましたが、まずは率直な印象を聞かせてください。
NAOTO:3つオシレーターを重ねて音作りができるというのがすごいですよね。しかも、オシレーターだけでなく、フィルターとアンプ・セクションまでを含めて、3台分のシンセサイザーを重ねられるということですから、低い音色、真ん中の音色、そして上の音色を作って、それを重ねていけるというのは音作りの幅も広がると思いますし、触っていて、すごく面白いですね。

─ 例えばオルガンっぽい音色を作る場合も、ドローバーを使う感覚で、オシレーターを重ねていけるんです。
NAOTO:3つのオシレーターのピッチとデチューンをちょっとずつズラして、コーラス効果とはニュアンスの違った音作りができるのが面白かったです。しかも、ローがヤバいくらい、ものすごく出るし、ちょっとアブないシューゲイザー風の音色も、すぐに作れますね(笑)。オクターブを下げていくと、小さなスピーカーだと聴こえないくらいのローが鳴ることには、驚きました。
─ ですので、キックの音色を作ったりしても面白いと思います。
NAOTO:なるほど、それは面白そうですね。それと、ボタン(TONE1~3)でオシレーターのオン/オフができるっていうのが、DJミキサーっぽくて、すごくイイと思います。曲の展開によってオシレーターを抜き差しすることで、盛り上げたり、雰囲気を変えたりできるっていうのは、すごく今風ですよね。とてもライブ向きな楽器だと思います。フィルターの効き具合も、なかなかエグい感じで、いい意味でローランドっぽくない音も作れそうです(笑)。パラメーターのほとんどがパネル面に出ているので、直感的に操作できるのがいいと思いました。このエフェクトのブロックは、マスター(最終出力)にかかるんですか?
─ そうです。歪み系、モジュレーション系、ディレイ、リバーブの4系統を同時にかけられて、さらに独立してロー・ブーストも搭載しています。
NAOTO:このロー・ブーストは、効き方がハンパないですね! サブ・オシレーター的に使えそうだと思います。あと、エフェクト全体のオン/オフもボタン一発で操作できるというのもライブ向きだし、歪み系に「ビット・クラッシュ」が用意されているのも、DJ向けというか、すごく今風ですよね。この「ビット・クラッシュ」の歪みはカッコいいなぁ。3つのオシレーターの重ね方とこのエフェクトで、グリッジっぽかったり、エレクトロニカ風のサウンドがすぐに作れるというのは、新鮮ですね。こういうサウンドって、これまではソフト・シンセで作ることが多かったですが、直感型のハードウェアで作れるっていうことは、すごくいいことだと思います。





