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> Vol.53:ビート・マエストロRIOW ARAIがSPD-SXの可能性を探る

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SPD-SXは新しいVJコントローラー感覚で使っても面白そう

─ 今回、本体に音楽ソースを入力しておけば、パッドを叩くだけで次々とサンプリングが行える「マルチ・パッド・サンプリング」という新機能を搭載ました。これまでは、サンプリングして、波形をトリミングして、パッドに割り当てるといった作業が必要でしたが、その作業を一気に、しかも直感的に行えるようになりました。

RIOW ARAI:サンプリングをスタートしたり、ストップしたりっていう手間が省けるということですね。これは随分とサンプリングの作業が楽になったと思います。

─ SPD-SXは2GBのメモリーを内蔵しているので、CDクオリティ(16ビット/44.1kHz固定)の高音質でどんどんサンプリングしていけるという仕様になっています。

RIOW ARAI:なるほど。内蔵のウェーブ数は増えてるんですか?

─ 出荷時にプリ・ロードされているウェーブを含め、モノラルで最大6時間、10,000種類ウェーブをサンプリングできます。以前はメモリー容量の関係で短いフレーズをループさせてプレイするという考え方でしたが、SPD-SXは容量を気にする必要がないので、MTR感覚で1曲分のオケを丸ごと仕込んで、いわゆる“ポン出し”的に使うこともできます。もちろん、パーカッション楽器として設計されていますので、ハードディスクやSSDよりも屈強で、振動などで音が飛ぶようなこともありません。

RIOW ARAI:それはライブで使う際の大きな安心材料ですね。

─ また、自分で作ったクリック(オーディオ・データ)を本体に取り込んで、ヘッドホンだけで鳴らすことも可能なので、クリックを鳴らし始めてから、ドラマーが自分のタイミングでオケをスタートさせて演奏するといったこともできます。

RIOW ARAI:しかも、それらのデータは電源を切っても消えないわけだから、これは相当便利そうですよね。内蔵メモリーが2GBもあれば、一度音ネタを仕込んでおけばいちいちデータを入れ替える必要もなさそうですし、ライブの仕込みはかなり楽になると思います。

─ UBS接続したPCからオーディオ・データ(WAV/AIFF)を本体にインポートできる専用ソフトウェア「SPD-SXウェーブ・マネージャー(Windows/Mac両対応)」が付属されていますので、仕込み自体も手軽に行えますし、「キット・チェイン機能」を使えば、ライブでの演奏順にキットを並び変えることも可能です。

RIOW ARAI:セット・リストの順番にキットを並べることができるというわけですね。それはライブ向きですね。ステージでも見やすいように叩いたパッドのLEDインジケーターが光ったりと、ライブでの演奏性はとてもよさそうに思います。

─ また今回、マルチ・エフェクトが、キットごとに設定できる2系統と、マスターの合計3系統が搭載されていて、ツマミをいじりながらリアルタイムに音色をコントロールするといったDJ的なパフォーマンスも行えます。こういった新しいSPD-SXですが、ARAIさんなら、どのように活用したいと思いますか?

RIOW ARAI:今、話に出たようなDJ的な使い方も面白いと思いますが、やっぱりドラムの延長にある楽器であることには間違いないので、例えば、音楽的にエレクトロニカだとか、いわゆるギターがいてベースがいてというバンド・スタイルではないシーンでドラム的なプレイをしたい時に、これはかなり活躍できると思います。そういった音楽では、生ドラムを使うと、ちょっと雰囲気が変わってしまいますしね。もちろん、必要に応じでサウンドやフレーズも取り込めるわけですから。あとは、例えば同期モノを流しておいて、それに対してリアルタイムにフレーズをプラスする楽器としても使いやすそうだと思います。ですから、やはりライブ向きの楽器だとは思いますが、制作時に、これでドラムの打ち込みをやるという人もいるかもしれませんね。僕自身は、リズムの入力は鍵盤で慣れていますけど、制作でSPD-SXを活用するという可能性も十分に考えられると思います。ちなみに、「MIDI Visual Control」っていうのは何ですか?

─ MIDI信号を使って、演奏に同期して映像機器をコントロールできる機能です。

RIOW ARAI:ああ、いわゆるローランドの「V-LINK」のことなんですね。ローランドはVJ機器も作ってますよね。それと組み合わせて、例えばパッドを叩いて映像を切り替えたりといったことができるということですか?

─ そうです。ですから、事前に映像とフレーズのテンポを合わせておけば、非常に効果的な使い方ができると思います。

RIOW ARAI:それはいいですね。今までだったら、ドラマーが演奏していて、それとは別にVJがタイミングを合わせながら映像を切り替えていたことが、演奏と完全に連動させて映像をコントロールできるわけですから、VJの新しい映像コントローラーという感覚で使ってみても面白いように感じました。

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Profile

RIOW ARAI

トラック・メーカー/プロデューサー/DJ。96年にアルバム『Again』でデビューし、『Mind Edit(1999)』、『Beat Bracelet(2001)』、『Rough Machine(2004)』等のアルバムでトレード・マークと言える骨太なブレイク・ビーツとエディット・スタイルを確立する。2003年には『Mind Edit』がUKリリースされ、海外でも注目を集める一方で、さまざまなコラボレーションや、PLAYSTATIONゲーム・ソフト『フロントミッションオルタナティヴ』の音楽制作、TVアニメ『交響詩編エウレカセブン』のサントラにも参加する。2011年に初の自主レーベル「rar(アールエーアール)」を立ち上げ、10枚目のソロ・アルバム『graphic graffiti』12月にリリースする。

オフィシャル・サイト:
http://www.riowarai.com/

Information

CD

『graphic graffiti』

rar-01 ¥2,100
12月7日発売

配信

『bitter beats 2011』

rar-00
iTunes Store/beatport/Amazon MP3で配信中

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