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> Vol.55:ジャズ・ピアニスト西山瞳がデジタルピアノLX-15の自然でリアルな響きを奏でる

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ピアノの音色を作るいろんな成分が耳の位置で混ざって聴こえるから、とても自然で立体的な響きになる

─ 西山さんは、いつ頃にピアノを始めたのですか?

西山:私は少し遅くて、小学校1年生の時にクラシックから始めました。親がジャズ好きでしたし、私も中学生の時にブラス・バンドをやっていて、顧問の先生がジャズ好きだったこともあって、ジャズはよく聴いていました。ただ、親が好きだったのは60年代のクインテットくらいまでで、最初はそれがジャズだと思っていたんですよ。それがチック・コリアの『Now He Sings, Now He Sobs』を聴いて、「ピアノってカッコいい」と思って、ジャズを始めたんです。大学ではジャズ科でしたが、当時はプロになろうとはあまり思っていなくて、RushやPFM(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)といったプログレ・バンドのコピーをやっていたりして。もともとイングヴェイ・マルムスティーン(Gt)がすごく好きで、そこからプログレに入っていったんです。高校生の頃には西脇辰弥さんのライブにもよく行ってましたよ。

─ それは意外です(笑)。では、デジタル楽器も抵抗感なく演奏していたんですか?

西山:そもそも、小学6年生まで、、自宅ではエレクトリック・ピアノで練習していたんです。そういうこともあって、私自身は、それほど「アコースティックが一番いい」というようには思ってなかったんです。小学生の頃は、エレクトリック・ピアノに内蔵されているデモ曲を耳コピーして演奏していたんですが、そのおかげで絶対音感が身に付きましたし。今にして思えば、エレクトリックやデジタルのピアノで練習していてよかったなって思うことはたくさんあります。そうは言っても、昔のデジタルピアノって、30分くらい練習すると耳が疲れてしまったんですよ。でも最近のローランドのピアノは、演奏していて耳が疲れるようなことはありませんね。鍵盤の感触や音質が向上していることはもちろんですが、おそらく調律の具合だとか、音域によってピアノの音色が変わる感じだとか、そういう細かなバランスがすごくいいんだと思います。逆に言うと、音色の変化がデジタル的な区割りになっていたり、音域が変わっても音色がまったく同じピアノっていうのは、すごく違和感があって、演奏していて疲れるんです。どうしても、耳はアコースティックピアノと聴きくらべてしまいますから。でも今回試奏したLX-15は、すごく弾き心地がよかったです。とても自然な響きがしますが、スピーカーは本体のどこに搭載されているんですか?

─ V-Piano Grandの立体音響サウンド・システム技術を応用した「アコースティック・プロジェクション」を取り入れていまして、屋根の下の「スペーシャル・スピーカー」、鍵盤の少し上の奥の「ニアフィールド・スピーカー」、鍵盤下のキャビネット内にある「キャビネット・スピーカー」の3ヶ所に2個ずつ、計6個のスピーカーが搭載されています。

西山:従来のモデルとは、具体的にはどういう違いがあるんですか?

─ 「スペーシャル・スピーカー」からはさまざまなピアノ・レゾナンス音や空間の広がり、「ニアフィールド・スピーカー」からは弦振動やハンマー・アクションの音、「キャビネット・スピーカー」からは響板やキャビネットの響きを鳴らして、それぞれの音を空間で合成することで、自然で立体的なピアノならではの響きを作り出しているんです。

西山:なるほど。裏面にはスピーカーはないんですか?

─ スリットが開けられているので、ちゃんと音が出るようになっています。

西山:やっぱり(笑)。アップライトピアノって、自宅などの室内に置く場合は、壁から10cmくらい離すと、演奏していて聴き取りやすい音になりますよね。でも、たまにアップライトピアノでライブする時って、ステージだと背面に壁がないので、自分の演奏がモニターしづらいんですよ。今回は部屋の中央で試奏したので、ライブの時と同じ音がしました(笑)。そういう場合は、ピアノ・ソロだとそのままでもいいんですけど、アンサンブルの際には屋根を開けてピアノの音を聴き取りやすくするんです。このモデルも、屋根を開けるとちゃんと同じように聴こえ方が変わりました。そう考えると、アコースティックなピアノとまったく同じ音の響き方をしますね。デジタルピアノなのに、設置する位置や屋根の開け閉めで音の響きが変わるっていうのは面白いと思いますし、よくできているなと感じます。打鍵した時にハンマーが"コツ"っと鳴る感じや鍵盤アクションのノイズも、すごくリアルですね。とても生っぽいです。以前の音源には、こういった成分は含まれてなかったのですか?

─ いえ、音源そのものは前モデル(LX-10F)と同じ「スーパーナチュラル・ピアノ音源」で、以前から鍵盤アクションのノイズ成分なども含まれていました。ただ「アコースティック・プロジェクション」によって、聴こえるべき所から聴こえるべき音が鳴るので、従来のモデルよりも、聴こえ方がより自然になりました。もちろん、音源も「アコースティック・プロジェクション」で最適に鳴らせるようにチューニングされています。

西山:なるほど。ピアノの音色を作るいろんな成分が、そうやって耳の位置で混ざって聴こえるから、とても自然な響きとなるわけですね。これまでのデジタルピアノとは、音の印象がまったく違うと思いました。

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Profile

西山瞳

6歳よりクラシック・ピアノを学び、18歳でジャズに転向。大阪音楽大学短期大学部音楽科音楽専攻ピアノコース・ジャズクラス卒業。畑本浩氏、石井彰氏に師事し、在学中よりプロとして演奏活動を開始する。2004年、自主制作アルバム『I’m Missing You』を発表。ヨーロッパ・ジャズ・ファンを中心に話題を呼び、5ヶ月後には全国発売となる。以後、スウェーデン録音による3枚のアルバムをリリースし、2010年には「ISC2009」で、全世界約15,000エントリーの中から自作曲「Unfolding Universe」がジャズ部門で3位を受賞。2011年、3年ぶりのアルバム『Music In You』をリリースし、芸術作品として重厚な力作であると高い評価を得ている。

オフィシャル・サイト:
http://hitominishiyama.net/

Information

CD

『Music In You』
西山瞳トリオ

MT-002 ¥2,500

『Astrolabe』
西山瞳

(2012年3月14日発売)
MT-003 ¥2,500

『El Cant dels Ocells』
西山瞳/安ヵ川大樹(Bs)

(2012年3月14日発売)
DMCD-20 ¥2,500

LIVE
西山瞳トリオ『Music In You』発売ツアー

1/19(木) 名古屋・jazz inn LOVELY
1/20(金) 大阪・Mr.Kelly's
1/21(土)神戸・Creole
1/22(日) 広島・Speak Low
1/28(土) 東京・仙川アヴェニューホール

※詳細は、上記オフィシャル・サイトをご覧ください。

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