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> Vol.55:ジャズ・ピアニスト西山瞳がデジタルピアノLX-15の自然でリアルな響きを奏でる

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アコースティックピアノの代用ではなく、「ピアノを買った」という気持ちになれる重厚感とリッチさを持つ楽器

─ さらに、ピアノの響きを好みの状態に調整できる「ピアノ・デザイナー」に、新たに「サウンドボード・ビヘイビアー」を搭載しました。和音を鳴らした時、理論上サンプリング音源では音の数だけ微妙に異なる響板の響きが混ざってしまいますが、アコースティックピアノでは響板は1つしかありません。その調整が「サウンドボード・ビヘイビアー」で行えるようになりました。

西山:この設定値を大きくすると、確かに音が減衰する際の音色変化や倍音の感じが変わりますね。音の濁りがなくなって、粒立ちや音の輪郭がクリアになります。反対に値を小さくすると、少し音がこもったように感じますが、こういったデジタルピアノのやわらかい音色が好きな方もいるでしょうね。そこまで考えているっていうところが、すごいと思います。あと、試奏してみて真っ先に感じたのは、鍵盤がとてもいいということです。他のデジタルピアノと手触りが明らかに違いますよ。ちなみに白鍵と黒鍵の材質って、同じものですか……?

─ V-Piano Grandと同じ「PHA IIIアイボリー・フィール鍵盤」を搭載していて、白鍵は象牙調、黒鍵は黒檀調となっています。ローランド最高峰の鍵盤で、吸湿性や抗菌性もあります。

西山:黒鍵の肌触りが違ったので、どうしてなんだろうと思っていました。やっぱり違うんですね。すごくいいです。弾き心地がまったく違う。一般的なデジタルピアノって、鍵盤の表面がツルツルしてるじゃないですか。たまにライブ・ハウスなどで、会場内に厨房があったりすると湿度が高くて、しかもステージで汗をかいてくると、鍵盤が滑って演奏しづらいことがあるんですよ。この鍵盤は、そういう心配もなさそうですね。ピアノに関しては、音も弾き心地も素晴らしいですが、他にも何か面白い音色が入っていたりするんですか?

─ 従来モデルと同じようにさまざまな音色が鳴らせますが、今回、新たにピアノの原型となった「フォルテピアノ」や、ハープシコード(チェンバロ)の音色を搭載しました。中でもハープシコードは、ローランド・クラシック・シリーズのC-30と同じ音源を搭載した本格的なサウンドです。

西山:離鍵の際に鳴る「チャッ」っていう音が、相当リアルですね。面白くて、こればっかり試してみたくなります(笑)。あと、デジタルピアノという部分では、本体に録音できたりといったことも可能なんですよね?

─ もちろんです。本体への録音だけでなく、USBメモリーに録音することもできます。それらの操作は、ボタンの数を増やすことで、今まで以上にやりたい操作を簡単に行えるようになっています。

西山:ボタンが少ないとシンプルでデジタルっぽさがなくなりますが、実際に操作しようとすると複雑な手順が必要になって、かえって分かりづらくなりますからね。録音にしても、誰でも簡単に操作できるなら使ってみようと思いますけど、それが難しいと、結局使わなくなりますし。

─ そうやってボタンを増やしつつも、パネル部が本体の鏡面部分に映り込まないようにデザインしているので、普段アコースティックピアノを弾いている方でも、圧迫感がないと思います。

西山:本当ですね! いつもアコースティックピアノを弾いていると、自然と手や鍵盤が写り込む部分を見ますから、ここにボタン類が写るかどうかは、すごく細かいことですが、ピアニストにとってはとても大きいことだと思います。ヘッドホンを引っかけるフックまで用意されていたり、芸が細かいですね(笑)。でも実際にデジタルピアノを使うと、ヘッドホンの置き場って、意外と困るんですよね。本当に、きめ細かいところまで配慮されていますね(笑)。ここ数年、デジタルピアノのラインナップはライトな家庭用モデルが多かった印象ですが、LX-15はしっかりとした重厚感もありますし、リッチさもあって、すごくいいと思います。それでいて、本体の重さはアップライトピアノより軽いんですよね?

─ はい。約半分程度の91kgです。ピアノとしてのフォルムを大切にして、重厚感を出しつつも、奥行きをスリムにするなど工夫をしています。

西山:外観もいいですし、演奏していても、ハンマーの感触や、弦を叩くニュアンス、そして音の響きがすごくいいです。全体的に、とても弾きやすいピアノです。もうアコースティックピアノの代用という感覚ではなくて、ちゃんと「ピアノを買った」という気持ちにしてくれますし、大切にしようと思わせてくれる楽器だと思います。

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Profile

西山瞳

6歳よりクラシック・ピアノを学び、18歳でジャズに転向。大阪音楽大学短期大学部音楽科音楽専攻ピアノコース・ジャズクラス卒業。畑本浩氏、石井彰氏に師事し、在学中よりプロとして演奏活動を開始する。2004年、自主制作アルバム『I’m Missing You』を発表。ヨーロッパ・ジャズ・ファンを中心に話題を呼び、5ヶ月後には全国発売となる。以後、スウェーデン録音による3枚のアルバムをリリースし、2010年には「ISC2009」で、全世界約15,000エントリーの中から自作曲「Unfolding Universe」がジャズ部門で3位を受賞。2011年、3年ぶりのアルバム『Music In You』をリリースし、芸術作品として重厚な力作であると高い評価を得ている。

オフィシャル・サイト:
http://hitominishiyama.net/

Information

CD

『Music In You』
西山瞳トリオ

MT-002 ¥2,500

『Astrolabe』
西山瞳

(2012年3月14日発売)
MT-003 ¥2,500

『El Cant dels Ocells』
西山瞳/安ヵ川大樹(Bs)

(2012年3月14日発売)
DMCD-20 ¥2,500

LIVE
西山瞳トリオ『Music In You』発売ツアー

1/19(木) 名古屋・jazz inn LOVELY
1/20(金) 大阪・Mr.Kelly's
1/21(土)神戸・Creole
1/22(日) 広島・Speak Low
1/28(土) 東京・仙川アヴェニューホール

※詳細は、上記オフィシャル・サイトをご覧ください。

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