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> Vol.56:エンジニア浦本雅史が6チャンネル・ポータブル・レコーダーR-26のサウンドと操作性をスタジオで実践チェック

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カメラに例えると、R-05がデジカメなら、R-26は一眼レフ。録音をより深く楽しみたいという人にすごくいい

─ 操作性についてはいかがでしたか?

浦本:音質面だけでなく、ものすごく使いやすいということにも驚きました。スマホ世代からすると、タッチ・パネルはうれしいし、反応も早くて、見た目も分かりやすい。僕はあまり取扱説明書を読まないのですが、それでも、電源を入れて、SDカードのフォーマットまで、すぐに使いこなせました。しかも、メニュー画面が日本語表記なんですよね。これは、めちゃくちゃいいと思いますよ。「ファインダー」までカタカナですから(笑)。スタジオの機材やソフトって、海外のものが多いじゃないですか。これは、やっぱり日本人のためのレコーダーだなって思いますね。

─ さらに、頻繁に操作する部分は極力ハードウェアとしてボタンや専用ツマミを用意しています。よく使う[MENU]も、タッチ・パネルには入れずにボタンで用意しましたし、重要な入力レベルは大型の専用ツマミで設定できるようになっています。

浦本:実はこれを現場に持っていった時にたまたま仲のいい人がいて、その方もR-26を買ったそうで「すごく便利だ」って話していました。その方は、ある女性アーティストのマネージャーさんで、デモ制作から立ち会って、その際にR-26で録ったりしているそうです。その方も「このツマミがいい」って言ってましたね。操作性は、本当によくできていると思います。

─ そういったアナログ感覚のハードウェア性にプラスして、大型タッチパネル・ディスプレイを活かして、本体だけでも波形のトリミングなど、基本的な編集ができるようになっています。

浦本:「R-26とDAWソフトだけでアルバムを1枚作れ」って言われたら、時間はかかるでしょうけど、可能だと思います。Cakewalk SONAR X1 LEもバンドルされているそうですから、もうバッチリでしょうね。しかも、録ったデータはUSBでパッとPCに送れるわけですし。

─ R-26はUSBマス・ストレージとしてPCとデータをやり取りできるだけでなく、USBオーディオ・インターフェース機能も搭載しているので、R-26をマイクとして使ってDAWソフトにレコーディングすることができます。また、PC側で再生した音とR-26の内蔵/外部マイクの音をミックスしてPCに戻すLOOP BACK機能も装備しているので、USTREAMなどの動画配信などの音声ツールとしても活用いただけます。

浦本:それは便利ですね。最近はノートPCで気軽に外でレコーディングができるとはいえ、実際にはノートPCだけでなく、オーディオ・インターフェースやマイクが必要だったりと、それはそれで大変なんです。でもR-26があれば、本体だけでも6チャンネル録音ができるし、ノートPCを持っていけば、オーディオ・インターフェースやUSBマイクとしても使えるわけですから、本当に手軽ですよね。しかも、この機能とこのサイズで、こんなに軽いというのも驚きました。実際に手にするまではもっと重いのかと思っていたんですが、これなら女性でも楽に使えますよね。

それに見た感じも、あまりハイテクじゃないのがいいですよね。最近、江島くんの影響でカメラを買ったので余計にそう感じるんですが、R-05って、ボタンを押せば間違いなく録れて、カメラで例えると「デジカメ」っぽさがありますが、R-26は、もうちょっとこだわって録れる「一眼レフ」的な感覚ですよね。録音をより深く楽しみたいという人には、すごくいいと思います。レコーダーとしての性能は間違いないですし、それで使いやすいですから、音楽だけでなく、映像関係の人が使ってみても面白いんじゃないかと思います。

─ そういったこだわりの録音が行えつつも、最適な入力レベルを自動的に設定できるAUTO-SENS機能も搭載されていますので、初心者の方でも確実な録音が行えます。

浦本:アマチュアの方だと、レベル設定は難しいでしょうから、こういうサポート機能は便利だと思います。せっかくいい演奏だったのに、音がバリバリ歪んでしまったとか、よくあることですからね。それに、ミュージシャンが演奏しながら自分で録るという場合は、そこまで録音に神経を使えませんから、こういう機能はプロでもうれしいと思いますよ。

─ こだわりという点では、R-26は外部マイクを接続することでMS録音も可能なのですが、実際のレコーディング現場では、MS録音は頻繁に使われるものなのですか?

浦本:録りの際、MS録音はめちゃくちゃ使いますよ。昨年のサカナクション幕張メッセ公演でも、映像を見てもらえると分かると思うんですが、ドラムの後ろに2本のマイクをMS方式でセットして録りました。臨場感も出せるし、音像が近くに感じられるので、とても便利な録音方式だと思っています。MS録音に興味を持つような人って、きっと自分でもいろいろと調べると思うので、そういうきっかけにもなるし、そこからミキシングも含めて知っていくっていうことは、すごく楽しいことだと思います。

─ 最後に、浦本さん流の6チャンネル録音アイデアを教えてください。

浦本:例えば、ピアノを録るなら、内蔵マイクで全体を狙って、外部マイクをハンマーにオン・マイクで向けるとか、バンドの一発録りで使うなら、自分の耳で各楽器のバランスが一番いいスウィート・スポットにR-26をセットして内蔵マイクで録りつつ、歌だけ別のブースで外部マイクで録るということもできると思います。あとはライブ・レコーディングですよね。R-26の外部入力は、マイクだけでなくライン・レベルにも対応しているようなので、PAのステレオ・アウトを本体に入力して、内蔵マイクをオーディエンス・マイクとして使えば、バッチリだと思います。それをDAWソフトに録り込んで整えてあげれば、演奏に自信のある人なら(笑)、いくらでもライブ・アルバムが作れると思いますよ。

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Profile

浦本雅史

バーニッシュストーン・スタジオでエンジニアのキャリアをスタートさせ、その後、青葉台スタジオを経て、現在はフリーランスとして活躍中。これまでに、くるり、フジファブリック、GO!GO!7188、サクラメリーメンなどのレコーディングやミックスを手がける。近年はサカナクションのレコーディング/ミックスをすべて手がけ、最新作『DocumentaLy』は10万枚を超えるセールスを記録した。3月28日にリリースされるライブDVD『SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE-』のミックスも担当している。また、エンジニアリングに加えプロデュースも行ったplentyのアルバム『plenty』が2月15日に発売される。

Information

CD

サカナクション
『DocumentaLy』

初回限定盤A(CD+DVD)
VIZL-437 ¥3,500

plenty
『plenty』

(2012年2月15日発売)
XQFQ-1206 ¥2,500

DVD

サカナクション
『SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE-』

(2012年3月28日発売) 初回限定盤
¥4800(DVD)/¥5800(Blu-ray)

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