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> Vol.58:日本の音楽シーンを支える名ドラマーTOSHI NAGAIが最新V-Drums TD-30KV-Sでビートを奏でる!

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「リズムを刻む音色が“ドン・タン”でなくてもいい」という発想も、V-Drumsなら十分に“アリ”だ

─ ライブでの使用に関しては、ベースの鳴り方によって低音の調整が必要であったり、会場によって残響が違いますので、その時々で細かい音作りが音源モジュール本体だけですぐに調整できるようになっています。もちろん、リバーブはPAに任せるなど、自分で調整する部分と、PAに任せる部分を選べるようになっているんです。

NAGAI:つまり、通常のライブでドラム・テックがやるようなことを、例えば“V-Drumsテック”がいて、PAと打ち合わせをしながら、その日の会場によってV-Drumsの鳴りを調整していけるわけですね。頻繁に使う会場なら、一度そこの特性に合わせてキットをチューニングしておけば、あとは微調整で対応できますよね。それはすごく便利だし、ライブの現場でも、とても実戦的だと思います。

─ もしNAGAIさんがこのV-Drumsでプレイするとなると、どのような特長や機能を活かしたいと感じましたか?

NAGAI:今回試した範囲では、パッドを叩いてコードやフレーズが奏でられるプレイ、これが一番面白いと思いました。つまり、アコースティック・ドラムでは絶対にできない、V-Drumsならではの新しいパフォーマンスですね。これは、すごい発想だと思います。もうひとつは、まだ国内ではV-Drumsオンリーでライブをやっているドラマーが少ないようなので、アコースティック・ドラムと組み合わせたハイブリッド・システムではなく、V-Drumsメインのライブ・スタイルにも興味があります。ドラムとしてのクオリティは申し分ないし、フィーリングもまったく問題がなくて、プレイしていて、とにかく楽しい楽器だという印象です。これだけ完成度が高いからこその、僕の勝手なアイデアなんですが、物理的な話で、ライブハウスに手軽に持ち運べて、パッと開いたらすぐに叩けるっていうタイプのV-Drumsが生まれるとうれしいですね。確か、そういった家庭用のモデルは、もう発売されていますよね?

─ はい、ホーム・ユースのV-Drums Lite HD-3があります。

NAGAI:そうそう。あれのライブ仕様モデル。今のアマチュアの状況を考えると、V-Drumsを使って家でドラムが叩けるのはすごく楽しいことだから、それをライブハウスに持ち込めるようになれば、もっと音楽の幅が大きく広がっていくと思うんですよ。それと同時に、まったく正反対の発想で、本当にきちんと叩かないといい音が鳴らないV-Drumsというのも面白いと思います。アコースティック・ドラムって、例え同じ楽器でも、3人が叩けば、絶対に3人とも鳴らす音が変わるんです。そういう方向での、さらなるアコースティック感。これが実現すれば、今まで以上にドラマーの個性が出せるから、「V-Drumsを叩かせたら、オレは誰にも負けない!」っていう“V-Drumsのプロ”が生まれてくると思うし、そこまで行けば、音楽自体がもっと進化していくように思います。今回の試奏で、V-Drumsにその可能性を十分に感じましたし、「ここまで来たのか」と強く感じましたから、余計にさらなる進化を期待してしまいますね。

少し話しが逸れますが、ちょっと前に浜松市の楽器博物館に行ったんですよ。そこには、今はもう現存しない、いろんなタイプのピアノが展示されていたんです。例えば、ペダルを踏むと楽器の裏側を叩いて、バス・ドラムのような音を鳴らせるピアノだとか、レバーを操作すると薄い紙が弦に触れて、ディストーションがかかったような音色になるピアノがあって、何百年も前から、いろんな音を出そうと相当な研究と努力を重ねてきたんだなって感じました。そういった工夫が、今やデジタル楽器に取って変わったんでしょうけど、でも「いろんな音を出したい」という発想は今でも同じだと思うし、V-Drumsなどは、最高にいい例ですよね。アコースティックのよさも持ってるし、デジタル楽器でしか実現できないよさもある。今の音楽って、停滞はしてないけど、使われるサウンドがある程度決まってきていて、その中でも、ドラムは一番変化のない楽器だと思います。それでも、80年代に「ゲート・リバーブ」っていうエフェクトを使った斬新なドラム・サウンドが生まれて、そこから新しい音楽ジャンルが生まれるほどの勢いがあったじゃないですか。V-Drumsも、そこまでいけるんじゃないかと思うほど、面白い存在だと思ってるんです。

─ ぜひ読者のみなさんにも、V-Drumsでそういった新しいチャレンジをしてもらいたいですね。

NAGAI:そうですね。しかも僕らよりも、もっと新しい感性を持った若い子たちに期待したいです。そもそも、「リズムを刻む音色が“ドン・タン”でなくてもいいんじゃないか?」っていう発想だって、V-Drumsなら十分に“アリ”じゃないですか。僕らとはまったく違う世界から新しい音楽が生まれて、でもそれがカッコよければ、それの音楽はV-Drumsでないとプレイできないわけです。いずれ必ず、そういう音楽が生まれてくると思うし、そうなる日が、楽しみですね。

▲TD-30KV-S

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Profile

TOSHI NAGAIさんのプロフィール、および最新情報は、mnavi Interviewページをご覧ください。

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